「MakeでWordPressからXに自動投稿していたのに、急に動かなくなった」——2025年5月末、多くの副業ブロガーがこの問題に直面しました。原因はMakeによるX(旧Twitter)モジュールの公式廃止です。
この記事では、Makeの Xモジュールが廃止された背景と、その後も自動投稿を続けるための代替手段3つを比較します。筆者自身が実際に運用している WordPress → Make → Buffer → X のワークフローも公開します。
MakeのXモジュールが使えなくなった経緯
まず、なぜMakeからXモジュールが消えたのかを整理します。知っている方は次のセクションまで読み飛ばしてください。
廃止の理由はX APIの料金改定
2025年4月3日、MakeはX(旧Twitter)アプリ連携の廃止を正式に発表しました。理由は「X APIのポリシー要件と料金体系により、顧客に妥当な連携を提供し続けることが困難になったため」です。
背景にはXのAPI料金の大幅な値上げがあります。Makeのような連携プラットフォームがXのAPIを利用するには、Enterprise tier(月額$42,000〜、約630万円〜)の契約が必要とされました。MakeのコミュニティユーザーがAPIを利用する総量を考えると、この費用を吸収することは現実的ではありません。
同様の理由で、ZapierもX連携を縮小しています。これはMakeだけの問題ではなく、自動化プラットフォーム全体に影響した出来事です。
影響範囲と時系列まとめ
廃止までの流れを時系列で整理します。
2025年4月3日:Makeが廃止を発表。この日以降、新規シナリオでXモジュールの追加が不可に。
2025年5月30日:既存シナリオのXモジュールも完全に動作停止。
2025年5月以降:Xモジュールを含むシナリオは実行時にエラーで失敗するように。
Makeは代替として、BufferやHootsuiteなど他のSNS管理ツール経由での投稿を推奨しています。
X APIの料金体系【2026年3月最新】
代替手段を選ぶ前に、X APIの現在の料金体系を把握しておきましょう。2026年2月に料金体系が大きく変わり、旧プラン(Free / Basic / Pro)は廃止されています。特にHTTPモジュールで直接連携する場合やn8nを使う場合は、自分のX APIアカウントの料金が直接関係します。
廃止された旧プラン(Free / Basic / Pro)
2025年までのX APIは固定料金のティア制でした。Free($0・月500投稿まで書き込み専用)、Basic($200/月)、Pro($5,000/月)、Enterprise($42,000〜/月)の4段階です。しかし2026年2月にFree・Basic・Proの3プランは廃止(deprecated)され、新規登録ができなくなりました。旧Basic/Proの既存ユーザーは当面利用可能ですが、XはPay-per-useへの移行を推奨しています。
旧Freeプランを利用していた開発者には、一回限りの$10バウチャーが付与された上でPay-per-useに自動移行されています。「Freeプランで月500投稿」という情報は2026年3月時点では古い情報ですので注意してください。
現在の料金体系:Pay-per-useモデル
2026年2月、XはPay-per-use(従量課金)モデルを正式にリリースし、これが唯一の新規登録可能なプランとなりました。事前にクレジットを購入し、APIリクエストごとにクレジットが消費される仕組みです。月額固定費はありません。2026年3月時点の主要操作の単価は以下のとおりです。
| 操作 | 単価(1リクエスト) |
|---|---|
| 投稿の読み取り(Post read) | $0.005 |
| 投稿の作成(Post create) | $0.01 |
| ユーザー情報の取得 | $0.01 |
| DM読み取り | $0.01 |
| ユーザー操作(フォロー・いいね・RT) | $0.015 |
同一リソースを同じUTC日内に複数回取得した場合、原則として重複課金は発生しません(ただし例外あり)。月間の投稿読み取りは200万件が上限で、それ以上はEnterprise契約($42,000〜/月)が必要です。支出上限の設定もDeveloper Consoleから可能で、使いすぎを防止できます。料金の詳細はX API公式料金ページで確認できます。
副業ブロガーの月額コスト試算
旧Freeプランは廃止されたため、2026年3月時点ではPay-per-useが唯一の選択肢です。では副業ブロガーが月30記事の自動投稿をした場合、いくらかかるでしょうか。
投稿の作成(Post create)は$0.01/件のため、月30投稿 × $0.01 = $0.30(約45円)です。Buffer経由で投稿する場合はX APIを直接叩かないため、この費用は発生しません。HTTPモジュールで直接連携する場合やn8n経由の場合のみAPI利用料がかかりますが、月額100円にも満たない水準です。

旧Freeプランがなくなって不安に思った方も多いと思いますが、副業ブログの投稿量なら月50円以下です。実質ほぼ無料と言って差し支えありません。
ただし投稿後のエンゲージメントデータ(いいね数、RT数など)をAPI経由で取得しようとすると、読み取り操作($0.005/件)のコストが加算されます。分析を自動化したい場合はDeveloper Consoleで支出上限を設定し、想定外の課金を防ぎましょう。
代替手段①|Buffer経由でX投稿(最も手軽)
MakeのXモジュール廃止後、最も手軽に自動投稿を再開できるのがBuffer経由の方法です。MakeにはBufferモジュールが標準で用意されており、追加費用なしで利用できます。
Bufferとは?無料プランでできること
BufferはSNS投稿の管理・スケジューリングツールです。無料プランでは3つのSNSチャンネルを接続でき、各チャンネルに月10件までの予約投稿が可能です。X、Instagram、Facebook、LinkedIn、Mastodon、Bluesky、Threadsなどに対応しています。
有料プランはEssentials(年払い$5/月/チャンネル、月払い$6/月/チャンネル)からで、予約投稿数の上限がなくなり、分析機能も使えるようになります。2026年3月時点の料金はBuffer公式料金ページで確認できます。副業ブログのX投稿だけなら無料プランで十分です。
MakeのBufferモジュール設定手順
MakeでBufferモジュールを設定する手順は以下の通りです。
ステップ1:Bufferアカウントを作成し、Xアカウントを接続しておく。
ステップ2:Makeのシナリオエディタで「+」をクリックし、「Buffer」で検索。
ステップ3:「Create a Status Update」アクションを選択。
ステップ4:コネクション作成でOAuthポップアップが表示されるので、Bufferアカウントで認証。
ステップ5:投稿先のProfile(Xアカウント)を選択し、Textフィールドに投稿テキストをマッピング。
Bufferモジュールの接続にはMake側のClient IDが使われるため、Buffer側でアプリ登録をする必要はありません。OAuthで認証するだけで接続が完了します。
メリットとデメリット
メリット:設定が最も簡単(5分で完了)。X APIの開発者アカウントやAPIキーが不要。Buffer無料プランで運用可能。テキスト+画像+動画に対応。
デメリット:Bufferという中間サービスを挟むため、Bufferの仕様変更や障害の影響を受ける。無料プランでは月10件の予約投稿上限がある(ただしMakeから即時投稿する場合はこの制限に該当しない場合もある)。投稿のカスタマイズ性はX API直接連携より低い。
▶ Makeの基本的な使い方やシナリオの作り方はこちらの記事で解説しています。
Make副業自動化入門|ブログ→X投稿を自動化した全手順
代替手段②|MakeのHTTPモジュールでX APIを直接叩く
Bufferを挟まずにMakeから直接XのAPIを叩く方法もあります。技術的なハードルは上がりますが、最も自由度の高い方法です。
OAuth 2.0 PKCE認証の流れ
X APIの投稿エンドポイント(POST /2/tweets)を利用するには、OAuth 2.0 Authorization Code Flow with PKCE(Proof Key for Code Exchange)による認証が必要です。
大まかな流れは以下の通りです。
1. X Developer Portalでアプリを作成:Client IDとClient Secretを取得。
2. 認証URLを構築:Client ID、リダイレクトURI、code_challengeなどのパラメータを含むURLを生成。
3. ユーザー認可:そのURLにアクセスしてXアカウントで承認し、認可コードを取得。
4. トークン交換:認可コードをアクセストークン+リフレッシュトークンに交換。
5. APIリクエスト:取得したアクセストークンを使って POST /2/tweets にリクエスト。
6. トークン更新:アクセストークンが期限切れになったらリフレッシュトークンで更新。
Makeの標準HTTPモジュールはOAuth 2.0に対応していますが、X APIが要求するPKCE拡張をネイティブではサポートしていません。そのため、code_verifierとcode_challengeのSHA-256ハッシュ生成を手動で行うか、専用のヘルパーツール(GitHubで公開されているMake用OAuth PKCE Wizardなど)を利用する必要があります。
実装の難易度と注意点
正直に言うと、この方法の実装難易度は高いです。OAuth 2.0 PKCEの仕組みを理解した上で、Make上でData Store(トークン保管)、Webhooks(コールバック受信)、複数のHTTPモジュール(トークン取得・更新・API呼び出し)を組み合わせる必要があります。
アクセストークンには有効期限があり、期限切れ時の自動更新ロジックも実装する必要があります。これを怠ると、ある日突然投稿が止まります。エラー発生時(HTTP 401)にリフレッシュトークンで再取得する分岐処理を必ず入れてください。
メリットとデメリット
メリット:中間サービスが不要で、X APIの全機能にアクセスできます。画像付き投稿、スレッド投稿、引用RTなど、Buffer経由では難しい高度な投稿形式にも対応可能です。API利用料はPay-per-useの従量課金ですが、月30投稿程度なら$0.30(約45円)で済みます。
デメリット:実装難易度が高い。OAuth 2.0 PKCEの理解が必要。トークン管理の仕組みが必要。Makeの無料プランではData Storeの容量やシナリオ数の制限に注意が必要。
代替手段③|n8nに乗り換える
Makeにこだわらないのであれば、n8nという選択肢もあります。n8nにはXのネイティブモジュールが現在も健在で、OAuth 2.0 PKCEにもネイティブ対応しています。
n8nとは?Makeとの違い
n8nはMakeと同じノーコード/ローコードの自動化プラットフォームです。オープンソースで、セルフホスト(自分のサーバーで運用)も可能な点がMakeとの大きな違いです。クラウド版は月$20〜の有料プランですが、セルフホストなら無料で利用できます。
n8nのネイティブXモジュール
n8nのTwitter/Xモジュールでは、Client IDとClient Secretを入力するだけで接続が完了します。PKCEの処理はn8n側で自動的に行われるため、開発者がハッシュ生成やトークン管理を意識する必要がありません。
また、Makeの既存シナリオからn8nのワークフローをHTTPリクエストで呼び出すことも可能です。つまり、Make側のWordPressトリガーはそのままに、X投稿の部分だけn8nに委任するハイブリッド構成も作れます。
メリットとデメリット
メリット:ネイティブXモジュールが健在で設定が簡単。セルフホストなら無料。PKCEを自動処理してくれる。投稿・リツイート・削除など幅広いアクションに対応。
デメリット:Makeとは別のツールを覚える必要がある。セルフホストにはVPSなどのサーバーが必要。クラウド版は月$20〜の費用が発生。既存のMakeシナリオを移行する手間がかかる。
3つの代替手段比較まとめ
ここまで紹介した3つの代替手段を一覧で比較します。2026年3月時点の情報です。
| 比較項目 | ①Buffer経由 | ②HTTPモジュール直接 | ③n8n乗り換え |
|---|---|---|---|
| 設定難易度 | 低(5分で完了) | 高(OAuth 2.0 PKCE) | 中(ツール学習コスト) |
| X APIキー取得 | 不要 | 必要 | 必要 |
| API利用料 | なし(Buffer経由) | $0.01/投稿 | $0.01/投稿 |
| ツール利用料 | Buffer無料プラン可 | Make無料プラン可 | クラウド$24/月〜 or セルフホスト無料 |
| 画像付き投稿 | 対応 | 対応 | 対応 |
| スレッド投稿 | 非対応 | 対応 | 対応 |
| 既存Makeシナリオとの親和性 | 高(モジュール追加のみ) | 高(同一シナリオ内) | 低(別ツール) |
| おすすめ対象 | 副業ブロガー全般 | 技術に自信がある人 | Makeから脱却したい人 |
副業ブロガーの大半はBuffer経由(①)で十分です。筆者も①を採用しています。
当ブログの実践例|WordPress→Make→Buffer→Xの全体像
最後に、当ブログ(週末起業ラボ)で実際に運用しているワークフローを紹介します。
現在の構成と運用フロー
当ブログでは、代替手段①のBuffer経由を採用しています。全体の流れは以下の通りです。
WordPress(記事公開)→ Make(Watch Posts トリガー)→ Buffer(Create a Status Update)→ X に投稿
MakeもBufferも無料プランで運用しています。ただし実際には、Makeの常時ON運用ではWatch Postsトリガーのポーリングでクレジットが消費されるため、現在は必要なときだけシナリオをONにする半手動運用に落ち着いています。
カスタムフィールドで X 投稿テキストを管理する仕組み
WordPress の投稿にカスタムフィールド x_post_text(本文)と x_hashtags(ハッシュタグ)を追加し、スプレッドシートの列 M・N から Make 経由で書き込みます。X の 1 投稿上限は 280 文字(URL 23 文字換算を含む)なので、本文+ハッシュタグ+URL の合計が 280 文字以内に収まるようスプレッドシート側であらかじめ文字数を管理するのがポイントです。
実装の全手順(Make シナリオへのモジュール追加・WordPress テンプレート側の出力方法)は以下の記事で詳しく解説しています。
無料プランでの運用コツ(クレジット節約術)
Makeの無料プランは月1,000クレジット、アクティブシナリオ2つまでです。Watch Postsトリガーは15分間隔のポーリングで、記事がなくても1回のチェックで1クレジットを消費します。24時間×4回/時×30日=2,880クレジット。これだけで無料枠を大幅に超えます。
対策としては、記事を公開するタイミングでのみシナリオをONにし、投稿確認後にOFFにする運用が現実的です。月に数記事の投稿頻度なら、ONにする時間を最小限にすることで無料枠内に収まります。
もうひとつの方法として、MakeのWebhookトリガーを使い、WordPress側からpublishイベント時にWebhookを送信する構成にすれば、ポーリングが不要になりクレジット消費を大幅に削減できます。ただしこの場合はWordPress側にWebhook送信の仕組み(プラグインまたはfunctions.phpへの追記)が必要です。
▶ Makeの基本操作や無料プランの活用法はこちらで解説しています。
Make副業自動化入門|ブログ→X投稿を自動化した全手順
よくある質問
- QMakeのXモジュールは今後復活する可能性はありますか?
- A
2026年3月時点では復活のアナウンスはありません。2026年2月にPay-per-useモデルが正式リリースされましたが、MakeのようなSaaS連携プラットフォーム向けの料金緩和には至っていません。XのAPI料金体系が大幅に変わらない限り、復活は難しいと考えられます。Buffer経由またはHTTPモジュールでの運用に切り替えておくのが安全です。
- QBuffer経由だと投稿に画像を付けられますか?
- A
はい、可能です。BufferのCreate a Status Updateモジュールには画像URLを指定するフィールドがあります。ただし画像は公開アクセス可能なURLで提供する必要があります。WordPressのメディアライブラリにアップロード済みの画像URLを指定するのが最も簡単な方法です。GIF動画やMP4動画にも対応しています。
- Q旧Freeプランが廃止された今、X APIの投稿制限はどうなっていますか?
- A
2026年2月のPay-per-use移行後は、旧プランのような月間投稿数の固定上限はありません。クレジットがある限り投稿できます。投稿の作成は1件$0.01の従量課金で、副業ブログの月30投稿なら$0.30(約45円)です。ただし投稿読み取りには月間200万件の上限があり、それ以上はEnterprise契約が必要です。Developer Consoleで支出上限を設定すれば想定外の課金を防げます。
- Q3つの代替手段のうち、どれを選ぶべきですか?
- A
判断基準はシンプルです。「手軽さ重視ならBuffer」「自由度重視ならHTTPモジュール直接連携」「Makeからの脱却も視野に入れるならn8n」です。副業ブロガーで月10〜30記事程度の投稿なら、Bufferが圧倒的におすすめです。設定が最も簡単で、Buffer無料プランで運用でき、X APIの知識も不要です。HTTPモジュール直接連携は、スレッド投稿や引用RTなど高度な投稿をしたい場合にのみ検討してください。
- Q旧Freeプランは廃止されたのですか?今後復活する可能性は?
- A
2026年2月にFree・Basic・Proの旧プランはすべて廃止(deprecated)されました。新規登録はできません。旧Freeユーザーには$10バウチャーが付与された上でPay-per-useに自動移行されています。復活のアナウンスは2026年3月時点でありません。ただし副業ブログの月30投稿程度なら、Pay-per-useでも月$0.30(約45円)で済むため実質的な影響は軽微です。
まとめ
2025年4月のMake Xモジュール廃止は、多くの副業ブロガーの自動投稿ワークフローを止めてしまいました。しかし代替手段は複数あり、特にBuffer経由の方法なら5分で設定が完了し、無料で運用を再開できます。
この記事のポイントを振り返ります。
MakeのXモジュールは2025年5月30日に完全停止。X API Enterprise tierの料金($42,000〜/月)が原因。
X APIの旧Freeプランは2026年2月に廃止。現在はPay-per-use(従量課金)のみで、副業ブログの月30投稿なら約$0.30(約45円)。Buffer経由ならAPI利用料自体が不要。
代替手段はBuffer(手軽)、HTTPモジュール(自由度高)、n8n(ネイティブ対応)の3つ。副業ブロガーにはBufferがおすすめ。
カスタムフィールドで投稿テキストを管理すれば、タイトル+URLだけの味気ない投稿から脱却できる。
カスタムフィールド(x_post_text / x_hashtags)の設定方法とMakeシナリオからの読み取り方はWordPressカスタムフィールドでX投稿テキストを管理する手順で詳しく解説しています。

Freeプラン廃止のニュースに焦った方もいると思いますが、副業ブログの投稿量なら影響はほとんどありません。Buffer経由ならAPI料金すらゼロです。まずは動く仕組みを作って、記事を書くことに集中しましょう。
Makeの基本から知りたい方はMake副業自動化入門|ブログ→X投稿を自動化した全手順をご覧ください。
2026.03.20 ─ X API料金体系の全面更新(Freeプラン廃止・Pay-per-use移行反映)、代替手段比較表の追加、FAQ更新
2026.02.21 ─ 初版公開



