Claude Codeを使っているのに「この機能、知らなかった」が多い——そんな経験はないだろうか。v2.1.90で追加された/powerupコマンドは、ターミナルから離れずにアニメーション付きデモで機能を学べるインタラクティブチュートリアルだ。SE歴20年・Claude Code Max 5xプランで日常的にコードを書いている筆者が、効果的な使い方と副業での活用法をまとめた。

/compactと/clearの使い分けをあいまいなまま使っていたが、/powerupで体系的に学び直したらトークン消費が目に見えて減った。
/powerupコマンドとは何か
v2.1.90で追加された背景と目的
2026年4月1日、AnthropicはClaude Code v2.1.90のリリースノートで/powerupコマンドを発表した。ターミナル内で動くインタラクティブチュートリアルで、アニメーションデモ付きのレッスンを通じてClaude Codeの機能を体験できる。
Claude Codeは週に複数バージョンが出ることもあり、チェンジログを毎回追うのは現実的ではない。便利な機能を見落としたまま使い続けている人は多い。/powerupはその学習コストを下げるために作られた。
従来の学習方法との違い
従来のClaude Code学習は、公式チェンジログを読むか英語ドキュメントを辿るしかなかった。テキストだけでは「/rewindで実際に何が起きるのか」「サブエージェントがどう並列実行されるのか」がつかみにくい。/powerupはアニメーションデモで動きを見せるため、読むより圧倒的に理解が速い。レッスンコンテンツはインストールパッケージに内蔵されているのでオフラインでも受講できる。
副業・週末起業での活用シーン
週末エンジニアにとって時間は最大の制約だ。/powerupで副業に効くのは、CLAUDE.mdによるプロジェクトメモリの設計(レッスン2)、Hooksによる繰り返し作業の自動化(レッスン8)、ヘッドレスモードによるバッチ処理(レッスン12)の3つ。筆者自身、コンテンツ自動化パイプライン(RSS収集→Claude評価→Slack通知→WordPress投稿)を運用しているが、Hooksとヘッドレスモードの理解が深まったことで設計の選択肢が広がった。
コンテンツ自動化パイプライン(RSS収集→Claude評価→Slack通知→WordPress投稿)を運用しているが、Hooksとヘッドレスモードの理解が深まったことで設計の選択肢が広がった。WordPressへの自動投稿をMakeで組む前段として、Make×WordPressの自動投稿全手順も参考になる。
モデル別のコスト感を把握しておくと切り替え判断がぶれない。Opus 4.7・Sonnet 4.6・Haiku 4.5の料金と使い分けは別記事にまとめた。
/powerupの起動と基本操作
インストール確認とバージョン要件
/powerupを使うにはClaude Code v2.1.90以降が必要だ。まず現在のバージョンを確認する。
claude --version
# v2.1.90未満の場合はアップデート
npm update -g @anthropic-ai/claude-code
2026年4月13日時点の最新安定版はv2.1.101だ。v2.1.90以降なら/powerupが使える。
コマンドの起動方法とUI操作
Claude Codeのセッション内で/powerupと入力すると起動する。レッスン一覧がアローキーで選択でき、Enterで決定、qで終了。ターミナル操作に慣れていれば迷わない。
レッスン選択・進行・完了マークの付け方
レッスンを選択するとテキスト説明の後、アニメーションデモが流れる。完了時にチェックマークが付く。中断しても再受講可能で、1レッスン3〜10分なので通勤前や昼休みで消化できる。
ビギナーブロック:押さえておきたい基礎6レッスン
レッスンは難易度別に3ブロックで構成されている(コミュニティの調査に基づく)。ビギナーブロックはレッスン1〜6で、Claude Codeの基本操作を固める内容だ。
/clearと/compactの使い分け(レッスン1)
レッスン1「Context Management」では、/clearと/compactの違いを学ぶ。/clearはコンテキストを完全にリセット。/compactは会話を要約して圧縮し、文脈を保ったまま継続できる。長いセッションでトークンが膨らんだとき、この2つで判断する。1時間以上の作業セッションなら/compactを挟むだけで、レスポンスの質が維持しやすい。
CLAUDE.mdメモリシステムで作業を効率化(レッスン2)
レッスン2「CLAUDE.md Memory System」は、プロジェクト・ユーザー・ローカルの3階層でメモリを管理する仕組みを扱う。プロジェクトルートにCLAUDE.mdを置けばプロジェクト固有の指示を永続化でき、~/.claude/CLAUDE.mdにはユーザー共通の設定を書ける。複数リポジトリを扱う副業なら、プロジェクトごとにコーディング規約やデプロイ手順を記録しておくと、毎回説明する手間が減る。
複数リポジトリを扱う副業なら、プロジェクトごとにコーディング規約やデプロイ手順を記録しておくと、毎回説明する手間が減る。CLAUDE.mdの設計をどこまで詰めるべきか——個人サービス開発でのCLAUDE.md+BUGS.md運用実例が参考になる。
CLAUDE.mdもそうだが、AIへの指示ドキュメントは肥大化するとモデル側が追従しきれなくなる。888行のプロンプトで起きた破綻と設計原則はプロンプト肥大化の破綻事例にまとめた。
プランモード・Escキー・Auto Modeの実践(レッスン3〜6)
レッスン3〜6をまとめて紹介する。レッスン3「Plan Mode」はShift+Tabでプランモードに切り替え、コードを書く前に設計を確認する機能だ。レッスン4「Model Selection」ではセッション中にモデルをリアルタイムで切り替えられる。コストを抑えたいタスクはHaikuに、複雑な設計判断はOpusに切り替える。
レッスン5「Escape & Interrupt」はEscキーの挙動を学ぶ。1回押しで現在の処理を中断、2回押しでキャンセルできる。暴走しそうなコマンドはこれで即座に止められる。レッスン6「Auto Mode」は権限設定と自動実行の範囲制御で、ファイル書き込みやコマンド実行をどこまで自動許可するか決める。
インターミディエイトブロック:自動化に直結する7レッスン
レッスン7〜13は実務の自動化に直結する。副業エンジニアが最もリターンを得やすいブロックだ。
カスタムコマンドとHooksで繰り返し作業を削減(レッスン7〜8)
レッスン7「Skills & Custom Commands」では、.claude/commands/ディレクトリにMarkdownファイルを置いてスラッシュコマンドを自作する。「/reviewでコードレビュー」「/deployでデプロイ手順を実行」といった定型タスクをコマンド化できる。
レッスン8「Hooks」はツール実行の前後にスクリプトを挟む仕組みだ。PreToolUseとPostToolUseを使い分ける。PostToolUseでフォーマッターを自動実行すれば、Claude Codeが書いたコードが保存直後に整形される。週末エンジニアにとって費用対効果が最も高い機能の一つだ。
サブエージェント並列実行とMCP設定(レッスン9〜10)
レッスン9「Sub-agent Orchestration」では、Agentツールでサブエージェントを並列に起動する設計を学ぶ。複数のファイルを同時にリファクタリングしたり、テストと実装を並行で進めたりできる。レッスン10「MCP Server Configuration」は、Model Context Protocol(MCP)のサーバー設定だ。データベース、Slack、GitHubなど外部ツールをClaude Codeに接続する方法を扱う。

筆者のコンテンツパイプラインではMCPでSlackに通知を飛ばしている。レッスン10を受けてから設定ファイルの構造が理解できた。
ヘッドレスモードとコスト追跡で副業効率を最大化(レッスン12〜13)
レッスン11「/rewind & Checkpointing」はチェックポイントへのロールバックと分岐を扱う。ここでは副業に直結するレッスン12・13を重点的に紹介する。
レッスン12「Headless Mode」は、-pフラグでスクリプトからClaude Codeを呼び出す方法だ。CIパイプラインやcronジョブから自動実行でき、「寝ている間にコードレビューを回す」「定期的にドキュメントを更新する」といった運用が可能になる。筆者もWindows Task Scheduler+VBSラッパーでバッチ処理を組んでおり、ヘッドレスモードの理解は自動化の基盤になっている。
レッスン13「Cost Tracking」は/costコマンドによるトークン消費の可視化だ。v2.1.92でモデル別・キャッシュ別の内訳表示が追加され、どのモデルにいくら使っているかが一目でわかる。Max 5xプランでも使用量の偏りを把握しておくと、モデル選択の判断が精度を増す。
ヘッドレスモードとBatch APIを組み合わせると何ができるか——3日間・713ページのpSEOサイト構築の実録がその答えだ。コスト管理の数字も含めて記録してある。
アドバンストブロック:上級者向け5レッスン
レッスン14〜18はアドバンストブロック。Web UIからのリモート操作、マルチセッション並列実行、SDK統合など、チーム開発や大規模プロジェクト向けの内容だ。
Web UIからターミナルをリモート操作(レッスン14)
レッスン14「Remote Control」ではclaude.ai/codeのWeb UIからターミナルセッションを制御する。外出先のスマートフォンからでもターミナル操作を確認・指示でき、デプロイの承認だけスマホで済ませるといった使い方が可能。v2.1.92ではセッション名にホスト名がデフォルトプレフィックスとして設定されるようになり、複数マシンの識別が容易になった。
マルチセッション並列実行の設計パターン(レッスン16)
レッスン16「Multi-session Workflows」は複数セッションを同時に走らせて協調させるパターンを扱う。フロントエンドとバックエンドを別セッションで並行開発し、最後にマージするといった設計が可能だ。レッスン15「Permission Scoping」で学ぶ細粒度の権限制御と組み合わせれば、セッションごとに操作範囲を制限でき安全性が高まる。
Extended ThinkingとAgent SDK統合(レッスン17〜18)
レッスン17「Extended Thinking」は推論バジェットの設定とコスト最適化を扱う。複雑なアーキテクチャ判断にはExtended Thinkingを有効にし、単純なファイル操作ではオフにする——この切り替えだけでコストが変わる。レッスン18「Agent SDK Integration」はPython/TypeScript SDKでClaude Codeをプログラムに組み込む方法。自社ツールにAIコーディング機能を内蔵したい場合に活用できる。
v2.1.89〜92の注目アップデートまとめ
/powerupと同時期にリリースされたv2.1.89〜v2.1.92には、実務に直結する改善が複数含まれている。2026年4月時点で押さえておくべきポイントを整理した。
Claude Code v2.1.114でClaude Designとの連携を実測した記録はClaude Design→Code|handoffで既存プロジェクトに統合にまとめている。
/costのモデル別コスト分析でムダを削減
v2.1.92で/costコマンドにモデル別・キャッシュ命中率別の内訳表示が追加された。Opusに8割のコストが集中していれば、単純タスクをSonnetやHaikuに切り替える判断ができる。キャッシュ命中率が低い場合はCLAUDE.mdの構造を見直すことで改善できる。
Writeツール60%高速化と権限延期(defer)の実用例
v2.1.92ではWriteツールの差分計算が約60%高速化された。タブ文字、&、$を含む大きなファイル——シェルスクリプトやYAML、Terraformファイルなど——の編集で体感速度が上がる。CI/CD設定ファイルを頻繁に書き換える副業プロジェクトでは実用的な改善だ。
v2.1.89で追加された「defer」は、ヘッドレスセッション中にツール呼び出しが発生したとき、外部で審査してから再開できる仕組みだ。PreToolUseフックから{"decision": "defer"}を返すとセッションが一時停止し、--resumeで再開できる。CI/CDパイプラインでデプロイコマンドが走る前にSlackで承認を求めて、承認後に再開するといったフローが組める。自動化パイプラインの設計に興味があるなら、SE歴20年の業務自動化術も参考にしてほしい。
アップデート適用方法と次のステップ
アップデートはnpmコマンド1行で完了する。
npm update -g @anthropic-ai/claude-code
claude --version
v2.1.89〜92の主要変更を一覧にまとめた。
| 機能 | バージョン | 副業での効果 |
|---|---|---|
| /powerup チュートリアル | v2.1.90 | 見落としていた機能を体系的に習得 |
| MCP結果 500K文字対応 | v2.1.91 | DBスキーマ全体をClaude Codeに渡して精度向上 |
| プラグイン bin/サポート | v2.1.91 | Go/Rustバイナリをプラグインとして配布可能 |
| defer 権限延期 | v2.1.89 | CI/CDに人間の承認ステップを追加 |
| /cost モデル別内訳 | v2.1.92 | コスト最適化の判断材料 |
| Writeツール 60%高速化 | v2.1.92 | 大きな設定ファイル編集が快適に |
各機能の詳細はClaude Code公式チェンジログで確認できる。Hooksの設定方法は公式Hooksリファレンスを参照してほしい。
よくある質問
- Q/powerupコマンドを使うにはどのバージョンが必要ですか?
- A
Claude Code v2.1.90以降。
claude --versionで確認し、古い場合はnpm update -g @anthropic-ai/claude-codeで更新します。
- Q/powerupのレッスンはオフラインでも受講できますか?
- A
可能です。レッスンコンテンツはClaude Codeのインストールパッケージに内蔵されているため、インターネット接続なしで受講できます。
- Q全レッスンの所要時間はどのくらいですか?
- A
1レッスン3〜10分。ビギナーブロック6本なら30〜60分、全18レッスンは半日で完了します。
- Q/powerupで学んだ内容を副業で活かすにはどこから始めるのがよいですか?
- A
ビギナーブロックでCLAUDE.mdとコンテキスト管理を押さえてから、インターミディエイトのHooksとヘッドレスモードに進むと自動化パイプラインの構築に直結します。
- Q/costコマンドでモデル別コストが見られるのはどのプランですか?
- A
v2.1.92以降のサブスクリプションユーザー(Pro・Max等)対象です。APIキー直接利用の場合はAPI側のダッシュボードで確認してください。
まとめ
/powerupで押さえるべきポイントは3つだ。
- v2.1.90で追加されたターミナル内チュートリアル。ドキュメントを読むより速く、アニメーションデモで機能を体験できる
- 18レッスンは難易度別3ブロック構成。副業エンジニアはビギナー→インターミディエイトの順で進めると効率がよい
- 同時期のv2.1.89〜92アップデート(Writeツール高速化、/costモデル別内訳、defer権限延期)も実務に直結する改善だ
/powerupを実行して、見落としているレッスンがないか確認する。自動化の全体像を掴みたければMake副業自動化入門と組み合わせると、手動作業をさらに減らせる。

全18レッスン、2時間ほどで一通り終わった。知っているつもりの機能でもデモで見ると「そういう使い方か」と発見がある。週末の2時間を投資する価値がある。


