Claude Codeで個人サービスを作った正直な話

Claude Code個人開発の正直な話 AI

「とりあえず動くものを作りたい」——その一心でClaude Codeをフル活用してゲームのマッチングサービスを開発した。SE歴20年の筆者が、爆速開発の現実を正直に書く。

Claude Codeは個人開発の速度を別次元に引き上げる。だが、コスト爆死・暴走・沼化という代償も同時にやってくる。良い面だけ書いてある記事を読んで始めると痛い目を見るので、両面を記録しておく。

ムラサキ
ムラサキ

「確認しますか?」→「まって」→「進めちゃいました」の流れ、本当にきつい。これだけで記事1本書けるレベルの話がある。

何を作ったか

ゲームのマッチングサービス

ゲームプレイヤー向けのマッチングWebサービスを作った。「欲しいもの」と「出せるもの」を登録するだけで交換相手が自動で見つかる双方向マッチングが特徴だ。OCRで画像からデータを読み取る機能、Google/Facebook/Apple OAuthとマジックリンク認証、Web Push通知、複数言語対応を実装した。

技術スタックと開発規模

フロントはReact + Vite + Tailwind CSS、バックはExpress + MongoDB(Mongoose)、インフラはRender + MongoDB Atlasで構成した。開発期間は半月未満、コミット数は200件超。認証・通知・OCR・複数言語対応まで含めるこの規模を個人開発で実現できたのはClaude Codeなしでは難しかった。

Claude Codeが本当に強かった場面

中規模機能が1セッションで動く速度

通常なら数日かかる機能が1セッションで動く。OCR連携、Web Push、複数言語対応——これらの機能を組み込むだけで動く成果物が出てくる。個人開発のボトルネックだった「実装の遅さ」が解消される。

作業内容従来の体感Claude Code
バグ修正(原因明確)30分〜数時間5〜10分
新機能実装(中規模)数日30分〜1時間
テスト追加1〜2時間10〜20分
不具合調査(原因不明)半日〜1日20〜40分
リファクタリング半日15〜30分

上記のClaude Codeの時間は実行時間ではなく人間系の確認なども含めたタスク終了までの時間です。動作はほとんどが1分未満で終わります。

体感で5〜10倍速。これは誇張ではない。

Claude DesignからのhandoffでUIモックを受け取り、既存の自前コンポーネントと整合性を取りながら統合した実例はClaude Design→Code|handoffで既存プロジェクトに統合にまとめた。

テストとリファクタリングを自動でやってくれる

CLAUDE.mdに「修正したらテスト必須」と書いておくと、Vitest/Jestのテストを生成してくれる。カバレッジが自然と上がる。

ただしリファクタリングは危険な面もある。本番公開時に環境変数の重複エラーが発生した原因は、同じ役割のファイルがふたつ存在していたこと。無駄なファイルを生成していたのはAIだ。「良かれと思って」別ファイルを作った結果、本番でトラブルになった。リファクタリング周りは改善と悪化が表裏一体だ。

バグ報告を投げるだけで原因特定してくれる

コンパイルエラーや型エラーの修正も時間がかかる作業だが、Claude Codeはこれを自分で検知して修正する。受け取ったコードはすでに動く状態だ。

不具合調査も同じ。バグ番号と症状を投げるだけでコードを読んで原因を特定する。あるケースではSMTPの送信処理を同期的に待っていたことが原因で、送信完了を待たずに次の処理に進む方式に修正した。メール送信の完了を待つ必要がなくなるパターンで、「どこが悪いかわからない」という調査の最も時間がかかるフェーズを削減できるのが大きい。

困りどころ——誰も教えてくれなかった現実

コスト爆死の話

Claude Codeの定額プラン(Pro/Max)とClaude APIの従量課金は別物だ。定額プランで使う分には上限内で収まるが、スクリプトからAPIを直接叩く処理は別途従量課金が発生する。この区別を意識しないままAPIを使い続けると、請求書を見るまで気づかない。

定額プラン(Pro/Max)の使用量と、Claude APIの従量課金は別の課金体系です。スクリプトからAPIを直接叩く処理は必ず従量課金が発生します。毎月の請求を確認してください。

定額プラン内にも使用量の上限がある。Proは特に制限が厳しく、毎日フル活用すると週の後半には上限に達する。Max 5x(月$100)に移行してからも、リモートセッションで沼って使い続けると上限に近づく。

月の途中でProからMaxへアップグレードする場合、Proの残り分が日割りで差し引かれてMaxの料金が請求される。二重払いにはならない。コスト追跡を仕組み化するなら、/costコマンドのモデル別分析をレッスン13で習得するのが手っ取り早い。

ClaudeのProからMaxに変更した場合の請求
4月1日払いMaxプランは$100ではなく、Proプランの日割り分を差し引いた金額になっている

暴走する話

指示したスコープ外のコードを勝手にリファクタリングする、コメントを追加する、確認もせずにタスクをクローズ済みに更新する——これがClaude Codeの暴走だ。指示が曖昧だと「良かれと思って」勝手に動く。

対策はCLAUDE.mdへの明記だ。「周辺コードをリファクタしない」「コメントを勝手に追加しない」「クローズはユーザーが判断する」と書いておくと頻度は下がる。ただし完全には防げない。CLAUDE.mdに「ユーザーの確認を待つ」と書いても、確認を取らずに進めることがある。ルールは補助的なものに過ぎず、確認が必要な局面では自分が能動的に判断を止める必要がある。

忘れる話

長期開発ではコンテキストが溢れてcompact(会話の圧縮)が走り、直前の作業内容が消える。セッションをまたぐ情報はCLAUDE.mdとBUGS.md/FEATURES.mdに外部化する運用が現実解だ。

同じ間違いを何度も繰り返すのはこのためだ。前のセッションで試した失敗パターンがリセットされ、また同じアプローチを試みる。「うまくいかなかった方法」もCLAUDE.mdに記録しておくことで対策できる。

Windowsの改行コード問題

Edit toolでCRLFのファイルを編集するとマッチングに失敗することがある。Windowsで開発している場合はnode -eで直接書き換えるなど回避策が必要になる。最初にCRLF/LF設定を統一しておくことを勧める。

沼になる——リモートセッションの危険性

Claude Codeのリモートセッション機能を使うと、スマートフォンから自宅PCのClaude Codeを操作できる。外出先でも開発が続けられるのが沼の入り口だ。

どこでもできるから止まらない。電車の中でも、寝る前でも、構想がすぐ形になる楽しさに歯止めが効かなくなる。生産性は出るし確かに面白いが、使用量の上限に達するのも早い。睡眠時間を削ってまで使う羽目になりやすい。「今日はここまで」を決める自制が必要——これは道具の問題ではなく、使う人間の問題だ。

ムラサキ
ムラサキ

リモートセッション始めると本当に沼。色々できて楽しすぎて、構想がすぐ形になる感覚はやめられない。ただコスト消費が速いので使用量の上限との戦いになる。

結局どう使うのが正解か

CLAUDE.mdとBUGS.mdが命綱

CLAUDE.mdはAIへの「仕事の説明書」。技術スタック・コーディング規約・禁止事項・よく使うコマンドを書いておくと品質が安定する。BUGS.mdは不具合の状態管理ファイルで、セッションをまたいでもバグの状況が保持される。この2ファイルなしで長期開発は困難だ。

CLAUDE.mdに最低限書くべき項目:技術スタック / 禁止事項(スコープ外変更禁止・コメント追加禁止など)/ 役割分担(確認はユーザーが行う)/ よく使うコマンド / うまくいかなかった方法の記録

確認はオーナーがやる——役割分担の徹底

実装・テスト・デプロイはClaude Codeに任せ、企画・設計・最終確認はオーナーが担当する。この分業が最も効果的だ。役割分担をCLAUDE.mdに明記しないと、AIが完了判定を独断で進めてしまう。デプロイの完了確認や外部サービスの審査結果確認はAIに判断できないため、必ずオーナーが確認する。

Pro→Max移行の現実と料金の仕組み

Proは個人開発でフル活用すると使用量の上限に達する。毎日使うならMax 5x(2026年4月時点で月$100・約16,000円)への移行を検討すべきだ。月の途中でアップグレードしても日割り差額のみの支払いになり、Proで使った分は差し引かれる。制限にぶつかったその日に移行して構わない。

ただしMaxに移行しても使用量の上限は存在する。リモートセッションで沼ると週の後半に上限が近づく。「Maxなら無制限」という誤解は危険で、使い方のコントロールは引き続き必要だ。Anthropic公式の料金ページで最新プランを確認してから判断しよう。

Max移行後にClaude Code上でOpusをどこまで使うかの判断は、モデル性能とレート上限のバランスで決まる。Opus 4.7リリース後のモデル使い分け基準はOpus 4.7とSonnet 4.6の使い分けで整理している。

よくある質問

Q
Claude CodeはProプランで個人開発に使えますか?
A

使えますが、毎日フル活用すると使用量の上限に頻繁にぶつかります。実装量が多い場合はMax 5x(月$100)への移行を検討してください。制限に達したタイミングで移行すれば、月の途中からでも日割り差額のみの支払いで済みます。

Q
Claude Codeのコストを抑えるコツはありますか?
A

定額プラン(Pro/Max)とClaude APIの従量課金は別物です。定額プランなら追加料金は発生しませんが、スクリプトからAPIを直接呼び出す処理は従量課金されます。またリモートセッションの使いすぎで使用量上限に達しやすいため、意識的に抑制することも重要です。

Q
Claude Codeが暴走するとはどういう意味ですか?
A

指示したスコープ外のコードを勝手にリファクタリングしたり、コメントを追加したり、完了確認をせずにタスクをクローズしたりする現象です。CLAUDE.mdで禁止事項を明記すれば減らせますが、完全には防げません。ユーザー側での確認習慣が必須です。

Q
CLAUDE.mdには何を書けばいいですか?
A

技術スタック、コーディング規約、禁止事項(スコープ外変更禁止など)、よく使うコマンド、ディレクトリ構成が基本です。「修正後はテスト必須」「クローズはユーザーが判断」といった役割分担ルールと、過去にうまくいかなかった方法の記録も入れておくと品質が安定します。

Q
リモートセッションとは何ですか?
A

Claude Codeのリモートコントロール機能で、スマートフォンなど別デバイスからPCを操作できます。どこでも開発できる利点がある反面、使いすぎで使用量上限に達しやすく、開発沼にはまりやすいという側面があります。使用時間と量を自分でコントロールすることが必要です。

まとめ

静的サイトの大量生成という別の使い方については、Claude Codeで3日・713ページのpSEOサイトを作った話にまとめています。

Claude Codeは個人開発の速度を変える。ただし使い方を間違えるとコスト爆死・暴走・沼化に陥る。この3点を最初から意識するかどうかで、最初の1ヶ月の体験がかなり違う。

ポイントは3つ。CLAUDE.mdとBUGS.mdを最初に整備する。API課金と定額プランの違いを把握する。確認はオーナーがやるという役割分担を明文化する。この3点を守ると、「優秀だが放置できないエンジニア」を活かし切れる。

今すぐできること:プロジェクトのルートにCLAUDE.mdを作り、禁止事項と役割分担を書く。これだけで暴走を減らし、開発の品質が安定する。

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