AIに書かせた記事が50本を超えたので、2026年9月6日に機械で数えてみた。スマートホーム機器やガジェットの実機レビューを載せているサイトだ。
リードに「〇〇歴N年の筆者が」と書いてある記事が39本。最終見出しが「まとめ」の記事が50本。「よくある質問」という見出しは53本中53本。本文の文字数は中央値6,866字で、狭い帯に集まっていた。
中身は全部違う。電池の話も充電器の話もWi-Fiの話もある。実測値も写真も記事ごとに違う。それなのに形だけが揃っていた。
- AIに書かせた3サイトのうち1つを機械監査したら、53本中リードの自己紹介39本・「まとめ」見出し50本・FAQ 53本と型が揃っていた。原因はプロンプトの7行。検索順位は平均5〜9位まで来ているのに、AdSenseだけ5ヶ月で15回落ちている。型を作っていた指示を消して54本すべてを書き換えた。結果はまだ出ていない。
数えるまで、揃っていることに気づかなかった
記事は1本ずつ書いている。書くたびに内容を考えて、実測値を入れて、写真を撮る。だから1本ずつ読んでいるかぎり、同じ形だとは思わない。
気づいたのは、AdSenseの否認理由を調べていて全記事を機械的に走査したときだった。2026年9月6日時点の53本で数えた結果がこれになる。

「よくある質問」は53本中53本。最終見出しが「まとめ」の記事が50本、うち37本は見出しが「まとめ」の4文字だけだった。リードの自己紹介が39本、最初の3ブロック以内の吹き出しが21本。本文の文字数は中央値6,866字で、これも狭い帯に集まっていた。
最新の3本を並べると、書き出しはこうなっていた。製品名が並ぶが、見てほしいのは中身ではなく形のほうになる。
スマートホーム歴8年、SESAME 5・Face・Bot 2・オープンセンサーを1年以上運用している筆者が、2026年9月の実機で確かめた記録を残す。
SE歴20年でガジェットの実測記事を書いている筆者が、33ヶ月の推移と、数字が動く仕組みを整理する。
スマートホーム歴8年・SE歴20年。原因はまだ確定していない。
3本とも同じ自己紹介から始まっている。しかもこの3本、本文の書き出し自体は悪くない。「玄関のドアを閉めても鍵が閉まらない」から始まる記事もある。いい書き出しのあとに、毎回同じ名刺を差し出していた。
原因はプロンプトの7行だった
記事はテンプレートのプロンプトを読ませて書かせている。手順そのものはAIブログの書き方|Claude実践ワークフロー全公開に書いたとおりで、今も変えていない。そのプロンプトを開いて、型と対応する指示を探した。全部あった。
| 型 | 指示していた内容 |
|---|---|
| リードの自己紹介 | 「リード文内に筆者の関連経験・資格・実績を1文で記載」+自己チェック項目 |
| 冒頭の吹き出し | 「リード文の後(筆者の導入コメント): 1回」 |
| 「まとめ」見出し | 「まとめセクション(H2「まとめ」)は必ず出力する。省略禁止」 |
| FAQ 53/53 | 構成テンプレートに「6. H2: よくある質問(FAQ)」と固定 |
| 文字数の集中 | 「1次情報が豊富な場合: 4,000〜6,000文字」等のレンジ指定 |
どれも、入れた当時は理由があった。「まとめ」の必須化は、更新履歴のアコーディオンで本文が終わっている記事が見つかったときの対策だった。E-E-A-Tのための経歴文は、検索評価を意識して入れた。
個別には正しくて、全部守ると同じ形になる。 これが分かるまで5ヶ月かかった。
プロンプトに書いた指示は、1本の記事を良くするために書いている。だが50本に同じ指示を当てると、50本が同じ形になる。指示を足すときは「これを50回守ったらどう見えるか」を考える必要がある。1本だけ見て判断していると気づけない。
検索は評価している。AdSenseだけが落ちる
ここが厄介だった。
同じサイトのGoogle Search Consoleを見ると、直近90日で約4,500クリック。上位20記事の平均掲載順位は5〜9位。検索エンジンはこのサイトを上位に出している(2026年9月2日時点・当時51本)。
一方でAdSenseは、2026年4月3日から8月31日までに15通の否認メールを送ってきた。理由は毎回「有用性の低いコンテンツ」。管理画面にも定型文とヘルプへのリンクしか出ない。具体的な指摘は開示されない。5回目は申請ボタン自体が押せなくなっていて、その月の記録は副業ブログ6ヶ月目の数字に残してある。
検索とAdSenseで評価が割れている。 中身が薄いなら検索順位もつかないはずで、「記事が薄い」という説明では現象が説明できない。
残る説明は「パターンとして自動生成に見える」だった。断定はできない。ただ、他の仮説はデータと矛盾する。実際、この5ヶ月で2つの仮説を立てて2つとも外している。「画像が0枚の記事が足を引っ張っている」と考えたが、その8本はPV上位に入っていた。「カテゴリ導線がない」と考えたが、元々サイドバーにあった。
AIを使っていること自体が原因かとも考えた。だが3サイトを数えると、AI関連の記述が3回以上ある記事はそれぞれ88%・13%・16%とばらついている。比率が6倍以上違うのに、3サイトとも同じ理由で落ちている。 AI言及が原因なら、この差が結果に出るはずだった。
54本を書き換えた
プロンプトを7箇所直した。リードの経歴文を禁止、吹き出しは0〜2回で最初の見出しより前に置かない、「まとめ」という見出し語を使わない、FAQは0〜5問、文字数のレンジは撤廃。
ただしプロンプトを直しても、既存の54本は変わらない。新しく書く記事だけが新しい形になる。それでは記事一覧を開いたときの見え方が変わらない。
だから54本すべてを書き換えることにした。1本ずつやったのは次の4つ。
3が一番時間がかかった。「まとめ」を何に変えるかは記事ごとに違う。機械的に「結論」に置き換えても意味がない。本文を読んで、その記事が何を言っているかを見出しにする必要がある。
実際に変えた例を挙げる。
| 前 | 後 |
|---|---|
| まとめ | 33ヶ月測って分かったのは、1回の数字は信用できないこと |
| まとめ | 通知が来た日に替える。それだけで防げた |
| まとめ | 100Wは上限であって、性能ではなかった |
| まとめ|首が痛いなら3,000円で試す価値がある | (「まとめ|」を外すだけ) |
最後の例のように、すでに結論が入っている見出しもあった。その場合は接頭辞を外すだけで済む。結論を書ける記事は、書き手が「まとめ」という接頭辞を付けたせいで隠れていただけだった。
書き換えたあとの監査結果がこれになる。
| 数えたもの | 9/6(53本) | 9/11(54本) |
|---|---|---|
| リードの自己紹介 | 39 | 0 |
| 「まとめ」見出し | 50 | 0 |
| 冒頭の吹き出し | 21 | 0 |
| 結びを囲む装飾ボックス | 3 | 0 |
一括処理の1本目で、記事を壊した
54本を1本ずつ手で再公開するのは現実的ではないので、検証して再公開するスクリプトを書いた。検証項目を9個並べた。ブロック構造が壊れていないか、リンクが減っていないか、商品カードの数は合っているか、FAQは減っていないか、画像の数は、本文が極端に短くなっていないか。
1本目を流した。全項目パスして、記事が壊れた。
壊れたのは記事の中にあった構成図だった。図はMermaidという記法のテキストで書いてあって、矢印をハイフン2つと不等号で表記する。それが再公開後、不等号だけHTMLの実体参照に置き換わっていた。10箇所すべて。矢印として解釈されなくなるので、図はレンダリングされない。
原因はコマンドラインから実行したことだった。管理画面から再公開すると管理者ユーザーの権限で動くのでHTMLのフィルタが走らない。コマンドラインではユーザーが設定されていないので権限がなく、フィルタが走って不等号が実体参照に変換される。同じ関数を呼んでも、実行する場所で結果が変わる。
そして9個の検証項目は、全部「数」を見ていた。ブロックの数、リンクの数、FAQの数、画像の数。実体参照への変換はどの数も変えないので、9個とも素通りした。
「壊れていないこと」を確かめる項目をいくつ並べても、想定していない壊れ方は捕まえられない。項目を10個に増やすより、「変わっていないこと自体」を見る検査を1つ持つほうが効く。
入れたのは「再公開後の本文が、下書きと1文字も違わないこと」という検査だった。何がどう壊れるかを想定する必要がない。違えば止まる。
直したあと、構成図を含む別の記事で試して差分ゼロを確認してから、残りを流した。このスクリプトで再公開したのは28本で、いずれも差分ゼロだった。残りは管理画面から手で再公開している。
1本ずつ試したから被害が1本で済んだ。 最初から13本まとめて流していたら、構成図を持つ記事を全部壊していた。壊した記事は復旧してある。
結果はまだ出ていない
ここまでやって、AdSenseに通ったとはまだ書けない。
再申請の結果が出るまで時間がかかるし、そもそも型を崩したことが効くかどうかも分からない。「パターンとして自動生成に見える」というのは、他の仮説がデータと合わないから残っているだけの推測で、確証はない。
ただ、やったことと数字は全部残してある。効果が出ても出なくても、次に報告する。
AIに記事を書かせること自体は続ける。1本ずつの品質は人が書くより安定しているし、実測値や写真は自分で用意している。問題は書き方ではなく、同じ指示を50回守らせたことのほうだった。
AIに書かせた記事で別の失敗もしている。存在しない数字が本文に混ざった話はAIにブログを書かせたら数字を捏造した話に書いた。今回の型の話は「中身は正しいが形が同じ」で、あちらは「形はどうあれ中身が違う」。層が別なので、両方を潰す必要がある。
よくある質問
- Qプロンプトを直せば既存記事も直りますか?
- A
直りません。プロンプトは新しく書く記事にしか効かないので、既存記事は手で書き換える必要があります。今回は54本すべてを書き換えました。作業は数日に分けて、5本前後のまとまりで進めています。
- Q「まとめ」という見出しは使ってはいけないのですか?
- A
禁止する必要はありません。問題は50本中50本が「まとめ」だったことで、見出し語そのものではありません。その記事の結論を書けるなら結論を見出しにしたほうが、目次を見ただけで中身が伝わります。すでに「まとめ|首が痛いなら3,000円で試す価値がある」のように結論が入っていた記事は、接頭辞を外すだけで済みました。
- QAIを使っていることが審査に影響しますか?
- A
AdSenseのプログラムポリシーを読むとAI生成コンテンツに関する記載はなく、禁止されているのは「付加価値のない複製コンテンツ」です。Google検索側の公式見解も「どう作られたかではなく品質で判断する」となっています。ただしAdSenseの審査担当が同じ基準かは公開されていないので、確定的なことは言えません。実測としては、AI言及率が88%・13%・16%と6倍以上違う3サイトが、全部同じ理由で落ちています。
- Q型が揃っていることを自分で確認する方法は?
- A
記事のHTMLを機械的に走査して数えるのが確実です。リードの最初の900字に同じ表現が出る本数、最終見出しの文字列、記事あたりの文字数の分布。この3つだけでも傾向は見えます。1本ずつ読んでいると気づけないのは、1本ずつはちゃんと違うからです。
気づけなかったのは、1本ずつはちゃんと違うから
記事を書くたびに内容は考えていた。実測値も写真も毎回違う。だから「同じ記事を量産している」という自覚はまったくなかった。
揃っていたのは、内容ではなく器のほうだった。しかもその器は、自分がプロンプトに書いた7行が決めていた。1本を良くするために書いた指示が、50本に適用されたときに何を作るかを考えていなかった。
数えるまで気づかなかったのは、数えるという発想がなかったからだと思う。記事は読むもので、数えるものではないと思っていた。
AdSenseの結果が出たら、効果があってもなくても書く。

